2024年に新NISA制度がスタートし、多くの人が投資を始めました。
しかし、1年が経過しても思うような利益が得られなかったり、元本割れしてしまったりすると、「このまま続けて大丈夫なのか?」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。
特に月1万円程度の積立投資を行っている場合、利益が出てもその額が小さいため、「このままで良いのか」「もっと投資額を増やすべきか」と悩むこともあるかもしれません。
そこで今回は、NISAを活用した投資をどのくらい継続すべきか、また月1万円の積立投資でどの程度資産形成が可能なのかを試算しながらお話します。
目次
1. NISAを活用した投資はどのくらいの期間続けるべきか
2. 短期間で利益を出す人との違い
3. 月1万円の積立投資でどれほどの資産が築けるのか
4. まとめ
NISAを活用した投資はどのくらいの期間続けるべきか
投資を始めると、どうしても短期的な利益が気になってしまうものです。
しかし、NISAを利用する本来の目的は、短期間で大きな利益を得ることではなく、長期的に安定した資産形成を目指すことにあります。
NISAは、投資利益にかかる税金が一定額まで非課税となる制度です。この制度を最大限活用するためには、「長期・積立・分散」の投資スタイルが必要となります。
実際に「つみたて投資枠」では、金融庁が「長期・積立・分散」に適していると認めた投資信託しか購入できません。
特に「長期・積立」投資では、購入時期を分散させることでリスクを抑え、さらに運用期間を長くすることで「複利効果」による資産の増加が期待できます。
では、「長期」とは具体的にどの程度の期間を指すのでしょうか?
一般的には10年から15年以上と考えられています。過去のデータによると、毎月一定額を国内外の株式や債券に分散投資し、15年以上保有すると元本割れのリスクが大幅に低減することが示されています。
短期間で利益を出す人との違い
「投資は長期が良い」と理解していても、SNSなどで「短期間で大きな利益を得た」という話を目にすると、何となく焦りを感じるものです。
しかし、そのようなケースでは、長期投資とは異なる「短期売買」による利益獲得を狙っている可能性が高いです。
短期売買では、数日や数週間、場合によっては数秒単位で売買を繰り返し、値動きの差を利用して利益を得ようとします。
例えば、2024年8月には、日本の株価が2日間で約20%下落しました。
このような場面で一時的に株価が下がった銘柄を購入し、数日後に値上がりしたタイミングで売却すれば短期的に利益が出ました。
しかし、このような手法は、金融市場に関する高度な知識が求められる上、相場の動きを正確に予測するのは極めて難しいです。
とてもリスクが高く、おすすめできません。
月1万円の積立投資でどれほどの資産が築けるのか
長期投資のリスクが低いと分かっても、毎月の積立額をいくらにするべきか悩む人も多いでしょう。少額から始めることは大切ですが、「月1万円では少なすぎるのでは?」と感じるかもしれません。
実際、月1万円を1年間投資して年間3%の利益が出た場合、得られる利益は約2,000円と、あまり大きくありません。
しかし、これを長期間続けるとどうなるでしょうか?
40歳から60歳まで(20年間)運用
元本:240万円
運用後の資産:約330万円
20歳から60歳まで(40年間)運用
元本:480万円
運用後の資産:約930万円
この試算は、年3%の利回りを前提としたものですが、実際には市場環境によって変動します。
また、投資額を増やせば、その分リターンも大きくなるため、収入や貯蓄状況に応じて積立額を調整するのも良いでしょう。
まとめ
投資を始めたものの、思うように利益が出ないと不安になることもあるでしょう。
しかし、NISAを活用した資産運用では、「長期・積立・分散」を基本とした投資スタイルが推奨されており、短期間での成果に一喜一憂する必要はありません。
試算結果からも分かるように、20年、40年といった長期間の投資を続けることで、月1万円の積立でもそれなりに資産形成が可能です。
この機会に、ご自身の投資方針を見直し、将来のゴールを目標に積立額を調整してみてはいかがでしょうか。